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- 理事長挨拶
2020年度(令和2年度)にあたり、本学会の理事・運営委員も新体制でスタートすることとなり、私が代表理事を仰せつかりましたので、ご挨拶を申し上げます。前任の野上哲夫代表理事を中心に本学会の再編成が行われ、事務局が島根大学小児科学教室(竹谷健教授)に移行され、今回学会ホームページも刷新されました。また遅れていた学会誌(31巻)も発刊の運びとなり、さてこれから更なる展開を、と期したところで折り悪くCOVID-19のパンデミックが重なってしまいました。それにより残念ながら今年度に予定されていた第48回日本小児東洋医学会学術集会が次年度に延期せざるを得なくなり、同様に小児漢方セミナーの開催も困難と思われます。このような事情により、今年度はWeb講演会などの開催を模索しているところです。
幸いにも小児のCOVID−19重症例は稀ですが、一方でこの状況は本邦の子ども達の心身に様々な影響を与えています。この変化は意外に根深く長期化する可能性があるかも知れません。
もとより漢方は長い歴史の中で経験的かつ理論的に培われた方法論であり、現代医学とは異なった視点を取り入れることにより専門分化の進んだ現代医学の中でも一定の役割を果たしています。これからの小児医療には今までにも増して多様な医療ニーズが生じてくると推測され、小児漢方の内包する柔軟な方法論はそのような多様性に対応するための有力な選択肢だと思います。
漢方薬を使用する小児科医が徐々に増加している状況の中で、会員の皆様と共に小児漢方の拡がりと深さを模索し、現代に即した小児漢方の在り方を探求することが本学会の役割と考えています。小児漢方に関心のある皆様には、是非とも本学会に参加して頂き、できるだけ多くの方々と漢方治療の楽しさを共有できることを心から願っております。
一般社団法人・日本小児東洋医学会